ブックタイトルやまがた加工食品ガイドブック

ページ
8/64

このページは やまがた加工食品ガイドブック の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

やまがた加工食品ガイドブック

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

やまがた加工食品ガイドブック

地域特産品を活用した料理村山地域村山地域はさくらんぼ、ラ・フランス、りんごなど、全国有数の果樹産地であり、赤根ほうれんそう、もってのほか、蔵王かぼちゃなどの村山伝統野菜の産地でもあります。また、村山地域の特性として、園芸作物の生産が盛んで、豊富な食材に恵まれており、食品加工業者が多く集積し、その出荷額は県全体の約6割を占めています。このような環境の中で、山形県では生産振興を図る転作作物の一つとして大豆の作付けを拡大してきました。今回は、大豆の加工食品として「納豆汁」の村山地域特有の食べ方と食文化についてご紹介します。村山地域では、1月7日に七草粥の代わりに納豆汁を食べる風習があります。新鮮な食材がいつでも手軽に手に入る現在と違い、昔は、豆腐、納豆、油揚げ、味噌と4種類も大豆製品の入る納豆汁は、冬の間の貴重なタンパク質をとれる料理として、各家庭で食べられていました。また、納豆汁に欠かせない食材が、里芋やからとり芋の茎を干して乾燥させた「芋がら」「あかがら」です。歯ざわりの良い独特の食感が特徴の保存食です。主役の納豆は、煮た大豆をわらで作った筒に詰め、こたつのわきなど暖かい所に1~2昼夜おいておくと出来上がります。かつては各家庭でつくられていました。この納豆をすってみそ汁に溶かし入れ、とろみをつけた納豆汁は、体をほかほかと温めてくれます。先人たちは、この納豆汁で冬の間に不足しがちな栄養素を補い、長い冬を乗り越えてきました。大豆は生のままでは組織が硬く、消化されにくいという欠点がありました。納豆は、この大豆の欠点を納豆菌による酵素分解の働きによって解消した上、タンパク質や炭水化物、脂肪分などといった栄養をそのままに、独自の風味をもつ消化吸収の良い優れた食品として仕上げられたものです。置賜地域山形県では置賜地域3市5町及びJA山形おきたまと協同して、国の「食のモデル地域育成事業」を活用した「おきたま食のプロジェクト事業」に取り組んでおります。具体的には、「おきたま」を象徴する新メニューやレシピ、商品開発、異業種とのコラボレーションした新たな顧客接点の開発等を通して、これまでの既成概念を取り払った新しいアプローチを目指しております。置賜地域には、米、米沢牛、ブドウという全国に誇る産物の他にも様々な美味しいものがたくさんあります。その中から、「米沢鯉」で作った「鯉のうま煮」をご紹介いたします。米沢鯉のルーツは、上杉鷹山が福島県相馬から稚魚をとりよせ、米沢城の濠で育てたのがはじまりといわれています。清流と冬の厳しい寒さが鯉の身を引き締めるため、泥臭さがほとんどなく、現在でも米沢地方でのお盆やお正月、結婚式等のお祝い事には、鯉料理は欠くことのできない料理の一つであります。鯉のあらい、鯉こくなど数多くの料理法がありますが、代表的なものはなんといっても「うま煮」です。酒、しょう油、砂糖でトロトロとじっくり煮つめた風味は格別のものがあります。米沢鯉の歴史は古く、今から約さかのぼ20 0年前の18 02年に遡ります。当時、「むくみ」や「乳不足」で悩む人達が蛋白質を補うため、わざわざほかの藩から鯉を求め医療に利用していたことを知った第9代上杉藩主・上杉鷹山は、養鯉の先進地である現在の福島県相馬市に伝授をこうため用人を走らせ、持ち帰った稚鯉を米沢城のお濠で育てたことが始まりとされています。7