ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ

 田植えが始まり、水田は久しぶりに活気づいている。

 ここ数年、田植えと同時に化学肥料を根元に落とす便利な機械が広まり、田植えまでの作業がいっそう短くなった。田んぼに堆肥を撒いている私の作業が、どうしても遅れてしまう。

「まだかぁ、いつごろ耕運できる?」

 隣の田んぼの持ち主が、自分の田んぼに水を引き入れれば私の田にも浸透し、耕運しにくくなることを気づかい、声をかけてくれた。

「申し訳ないなぁ。もう少しまってけろ。」

 せっかくの春なのだから、畦の野花をながめ、残雪と新緑の朝日連峰の風景を楽しみながら、のんびりと作業をすすめたいのだが、周囲のペースがそれを許さない。腰の痛みに耐え二種類の堆肥を撒き続ける。レインボープラン堆肥と醗酵ケイフン。実際のところ、この作業が終われば、米作り作業の半分がかたづいたような気分になる。つらい仕事だ。

 それでもなお、私が堆肥にこだわるのは、私たちは「土を食べている」と思うからだ。土など食べたことないという人もいるだろうが、みんな食べている。

米に限らず、すべての作物は、土のなかのいいものも悪いものも区別せずに吸収し、その茎、葉、実にたくわえる。だから私たちは作物を食べながら、その作物を通して、土を食べているというわけだ。

スーパーに行けば、海の向こうの農作物がたくさん並んでいる。私たちはそれらを食べながら、中国の、アメリカの、あるいは他のたくさんの国々の土を食べている。はたしてその土は安全か?食べるに足る土なのか?はなはだこころもとない。

“食は土からはじめよう”、“土は命の源”。堆肥散布は土を守る基本だ。はずせない。

田植え作業までもうすぐだ。たんぼに漂うほのかな堆肥の臭いがうれしい。
NPO法人「有機農作物普及・堆肥化推進協会」が3月23日をもって解散します。日本において生ごみたい肥化運動を推進してきた中心団体でした。この解散総会に向けてメッセージを送りました。
以下の文章がそれです。

 本日の堆肥化協会解散臨時総会にお集まりのみなさん。
全国で生ごみの堆肥化を進めているみなさん。
まだまだ雪の多い山形の地にはおりますが、私もみなさんと同じ気持ちを強くもって本日を迎えていることをお伝えしたいと思います。
それは
「堆肥化協会の大きなご功績に感謝し、その解散後も、堆肥化協会が掲げて来られた旗を、今度は、私たち全員が、さらに高く、高く掲げて前進する」
ということです。
私が、堆肥化協会と出会いましたのは、レインボープランが生まれて間もない1997年4月のことでした。今にして思えば、当時の堆肥化協会関係者のほとんどすべての方々がレインボープランの里、長井市を訪ねて来られたのだと思います。
以来、今日まで、レインボープランは堆肥化協会によって励まされ、力をづけられ、確信を与えられつつ進んでまいりました。夏の発表会で全国からお集まりの皆さんにレインボープランをご紹介する機会を与えていただきましたのは一回や二回ではありません。毎年出される報告集によって全国の豊かな事例を知ることができ、ともすれば狭い世界に陥りがちな私たちの認識を広げることができました。また、塩分問題を含め、生ごみ堆肥化に関わるたくさんの問題について理論的、科学的確信を与えていただきました。レインボープランの今日は堆肥化協会の存在抜きにはありえません。ここに改めて心からの感謝の気持ちとお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 さて、みなさん、堆肥化協会が解散することで、その掲げた未来は本日をもって潰えて行くのでしょうか。終わってしまうのでしょうか。そうではありません。誰もが気づいているように、二年前の「3・11」以降、その指し示す世界はますます重要になってきています。終わるのではありません。始まるのだと思います。いままで堆肥化協会がその持てる力のすべて、全身全霊をかけて築いてこられた世界の上に、その旗を引き継いで第二ラウンドが始まる。これから始まる、ここから始まるということなのだと思います。
 堆肥化協会の窮地に何ほども寄り添えなかったわが身の非力を謝罪しながら、あわせて、瀬戸先生や会田さん始め、理事、スタッフの皆さんに感謝しつつ、全国のみなさんとともに堆肥化協会の旗を引き継ぎ、これからの第二ラウンドを靴音高く歩み続けることをあらためてお誓いし、メッセージに替えたいと思います。

      2013年3月23日
               レインボープラン推進協議会・相談役
                                 菅野芳秀

  写真は昨年の4月、梅の花が咲いた後に降った雪です。
  梅と雪・・・雪と梅・・いいですねぇ。だから雪国が大好きです。
  ダブルクリックで大きくなります。

 4月の最後の日。
小雨が降る午後、息子と二人で堆肥散布をした。
寒さが続いていて、山々にはまだ雪がたくさん残っている。
畦の草は生えてきたばかりでまだ心もとない。
農家は会えばすぐに始めるのがお天気の話。これは今に始まったことではない。だけど今年は誰もが心配そうに、この天候は異常だと話している。とにかく寒い。こんな日が続いていて、種を撒いても芽がなかなか出ない。出ても成長が遅い。
 これらのことが農家に平成4年の凶作を思い出させている。緊急にタイ米を輸入したあの凶作だ。もし、凶作になったとしても、昨年カビ問題で注目を集めた輸入米、ミニマムアクセス米があるではないか、今年は大量に処分できる好機到来と政府筋は考えるかもしれないが、食わされる立場に立てばたまったものではない。しかし、市場に米がなくなればこれだって奪い合いになるだろう。今年はどんな年になるのか。
 いま散布しているのはレインボープラン堆肥で、これが終わればすぐに自然養鶏の醗酵鶏糞の散布に入る。二種類の堆肥散布と化学肥料に農薬を極力省くのが我が家のこだわりだ。その後に耕耘、代掻き、田植えと続き、終わるころには6月になっている。さてと・・、厚着をして田んぼに出よう。ヒッと手鼻をかむ。ああ忙しい。

   写真は堆肥散布中の息子、オレはこちらで鼻水たらしながら眺めている。

...もっと詳しく
菅野芳秀です。
今月20日、病院での長いリハビリ生活を卒業いたしまして、ようやくに退院してまいりました。入院したのが9月6日ですから46日ぶりのシャバの空気と言うことになります。
大勢の方からありがたい励ましの言葉と、たくさんのお見舞いをいただきました。改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 見た目にはほとんど障害らしいものはありません。話すこと、歩くことは以前とほぼ同じようにできます。しかし、計算すること、漢字を書くことなどの能力はずいぶん影響を受けました。
15―7などの繰り上がり、繰り下がりの計算ができない。何ぼ繰り上がったのか、繰り下がったのかが瞬時に忘れてしまうのです。記憶としてとどまらない。これを克服するためには、計算をやり続けるしかありません。やり続けることで頭の回路が少しづつ繋がっていくかもしれない。それを信じてやりつづけるしかない。たとえるなら、一人、真っ暗な場所に閉じ込められ、大声を出しても誰も応えてはくれない。それが何日も何日も続く。こんな孤独感を伴った歩みに似ています。

 ずいぶん長い間、小学一年生の問題と格闘し、頭を掻きむしって苦しみ、ようやく解けるようになった時には、誰もいない食堂に顔を伏せて、泣きました。今は加減乗除、ゆっくりですがほぼ解けるようになりました。 
 
 他にもいくつかの障害を受けています。そのためまだリハビリは半ばです。
週に2回、米沢のリハビリセンターに通いながら、失った能力を取り戻すための努力が続きます。これからもまだまだ苦しまなければなりませんが、
しかし、その努力がきっと単なる失ったものを「取り戻」すだけではなく、私の人生にもう一つ違う色合いを加えてくれるに違いないと感じています。

                        2017.10

TPPと同じだ。日本と違うのは国の未来のために若者が必死で行動していること。ぜひ、下のアドレスをクリックしてみてください。
熱いものがこみ上げてくる。



隣の台湾で大変な10万人規模の歴史的な事がおきて大きな声で「日本人助けて」とネットで大きく出てること皆知ってください。

国民党の馬総統が中国と結んだ協定がひどく、日本と経済交流止めて中国と優先的にすることに日本と繋がりを大事にしろと大規模デモがおきてる。何故日本は見過ごす。応援すべきのは今じゃないのか。なぜ日本のマスコミは報道しない。Facebookに良心あるなら台湾を助けよう。

http://youtu.be/nCaQJCkt8wk

この協定は中国が台湾の土地を買える権利も含まれています。この意味わかりますか
 緑の苗が成長し村中にトラクターの音が響いている。
5月18日ごろが田植えの予定だ。
しかし、田んぼに向かう農家の思いはほとんどつぶされ、もうペチャンコだ。
その上に幾重にも巨大なローラーをかけられている感じすらする。
もう反吐も出ない。
 
 我が家の水田面積は今年も約420アール(420m×100m)。
でも、減反・転作面積は昨年同様、約4割。
そのくせ政府は、およそ80万トンのコメを毎年輸入することにしていて、
それは山形県総生産量・38万トンの2倍以上にあたる。
価格もひどいモノだ。生産原価にすらとどかない。

 こうして志しある生産農家の意欲を潰し続け、後継者を排除し、豊穣の国、瑞穂の国日本を「先進国」中最低の自給率38%国家にしてしまった。
自国の食料の生産基盤をここまで壊してしまった与党・自民党。
昔の保守はこうではなかった。

 よ〜し!ニッポンの百姓の名において、大いにひと暴れ、ふた暴れしてみようか!誰か俺に手を貸せ!
F・B上に、見つけ残しのキュウリのことが出ていた。
大きくなりすぎて、食べられないという。皆さん、知らないんだなぁ。止めておけばいいのにお節介の癖が出て以下のコメントを打つ。皆さんも知らなかったならぜひ試してみて下さい。うまいよぉぉ!


「とんでもない。山形ではわざわざ大きくして食べたりしますよ。これがまたおいしい!まずキュウリの皮をむく。スプーンか何かで中の種を取り、これは捨てる。次に食べられる大きさに切る。そうですねぇ。3cm×5cmぐらいかな。次は油で炒める。そして煮る。トロトロとやわらかくなるまで煮ます。味付けはサバ缶、または豚コマ、ひき肉あるいはシーチキンでもうまいですよ。そこに旨味調味料、醤油を少し加え、最後に薄く片栗粉でトロトロ感をだして終わり。ぜひ、食べてみて下さい。わざわざ大きくして食べたくなる訳が分かりますぞ。どなたか、このようにやってみた方はぜひ私にその結果を教えてください。」

表に出てくる日本の政治家とはえらい違いですね。
対象にぶつかっていく覚悟が違います。
人間のできが違います。
それらを日本の政治家に求めてもダメ。
私たち一人一人が彼のような人間に近づいて行かなければならないということでしょうか。

 下をコピーして、検索してみてください。


http://bylines.news.yahoo.co.jp/kimuramasato/20131112-00029710/
 TPPをめぐる情勢は緊迫度を増してきました。
野田総理は5月の連休中にも訪米し「TPP参加」を表明しようとしています。
大統領選挙直前のオバマへ氏へのお土産ということでしょう。
どこまでも「ポチ」です。

さて、私たちは各界のNGOに呼びかけて、ともに「TPPに反対する人々の運動」をつくり、
さらにそれへの参加と連携を呼びかけてきました。
2010年11月の結成当時は「日本消費者連盟」など20団体に少し足りないNGOとともにスタートしたのですが、
今では100を超えるNGO、団体と情報と課題を共有できるところまできました。

それでもTPP参加阻止を実現できるほどの「国民」的な運動の広がりまでにはまだまだです。
われわれだけでなく各界、各領域の反TPP運動も相互に連携がとれておらず、今もなおばらばらなままです。
確かにそれぞれの集会には代表者を送り、エールを交換し合っていますがそれ以上ではありません。
行動の連携はおろか情報の共有も充分にできていません。

このままでは押し切られてしまう。
この国の今と未来のあり方を決めることができるのは世界の大国でもなければ巨大企業でもない。
この列島に暮らす人々であるという「国民主権と民主主義」にとっての大きな危機。(このような言い方にどこかヒッカッカるところがありますが)
この事態を前にしてなおバラバラのままでいることはゆるされません。
大きな視点にたった大きな運動が求められています。
そしてそのことに誰もが気づいていました。

3月13日、私たち「TPPに反対する人々の運動」は、いよいよ切羽詰ってきたこの時期に、
各界、各領域を越えた幅広い大衆団体・市民団体に、これからの運動方向をともに考える「円卓会議」をよびかけました。
応えてくれたのはパルシステムを先頭に、生活クラブ、大地を守る会などの生協・消費者団体。
全日農、北海道農民連盟、農民連、各地の農民団体などの農業団体。
労働団体、市民団体。
それに食健連などそれだけでたくさんの連携団体をもつネットワーク型組織など多数です。

古い言い方ですし、このようなモノサシが運動の前進にとって何のプラスにもならないことはあきらかですが、あえて言えば
旧「社会党」系、共産党系の垣根を越えた反TPPを願う大衆団体が集まりました。
会議ではTPPをめぐる基本的な考え方と現状を報告しあいました。
第二回目は4月4日。
これからの運動の方向、あり方を話し合います。

いままでバラバラのままだった市井の人々の反対運動が、築かれていた(築いていた)垣根を越えて同じテーブルにつき、これからの方向をともに考える。
お互いを尊重し対等で平等な関係を基調としたうえで、TPP参加阻止の一点に智恵と力を集中する。
時には行動を共にする。
これは運動が勝利するために求められる最低で必要な条件です。

追い詰められた結果とはいえ、もしそれが実現したとすれば
日本の大衆運動にとって記念すべき出来事と言っていいと思います。
また、このような連携が首都圏で取られるとすれば、全国に及ぼす影響は決して小さくはないでしょう。

韓国では韓米FTAが締結されましたが、その秘密主義と、暴かれた内容の余りの不平等性。大手企業の利益と大多数の国民の受ける不利益の大きさに抗議し、
その撤回を求める運動が全国に広がっています。

(韓国において、広範な人たちの耳目をにひきつけ、国民運動ともいえるFTA撤回運動をつくりだしてきたのは、
「歴史的な垣根」を越えようとしてきたそれぞれのリーダーたちの努力だと聞きました。我々にそれができないわけはありません。)

オーストラリアではISDI条項(企業が投資先の国を訴えることができるというルール)をめぐって紛糾しています。
そんな中の日本の反TPP運動の成長はそれら各国の運動への大きな貢献ともなるでしょう。

ともあれ、この4月はTPPをめぐってきわめて大事な月となるはずです。
4月4日を経て「大きな4月行動」へ。
綱渡りのような日々が続きます。
ぜひ、ご注目ください。
そして、ともに創っていきましょう。

                          菅野芳秀
古くからの友人で、日本とアジアを民衆運動でつなごうとする市民運動・「APLA」の理事をしている大橋成子さんが、拙書「七転八倒百姓記」の書評をその機関誌;ハリーナ」(人々が創るもう一つのアジア)誌で紹介してくれました。
 分かりやすく、端的に表現できる筆力は相変わらずです。

 (ダブルクリックで拡大してお読みください。)
俺、こんなの好きだなぁ。

下をコピーして検索してください。
1から2に進めば動画があります。

https://hashmedia.net/7095


大正大学の人間環境学科では長井市のレインボープランをフィールドワークの舞台としています。もう5年になるでしょうか。この度、学生たちは東京国際展示場(東京ビックサイト)で開催されたエコプロダクツの大学・教育機関コーナーでレインボープランの報告をしています。
「学生たちは、来場者の多さや、想定外の質問に戸惑いをもみられるがいい体験をしている。」(落合教授)ということでした。 下のシェアした写真がその模様です。

私もこのフィールドワークにかかわっています。