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!聞いておごやえ!「語り部の会」その2
今回の「語り部の会」で話していただいたのは、山路愛子さん、松沢ミツ子ん、そして、飛び入りで四釜さんの三名である。
そのむかし話を2つほど紹介したいと思うが、内容についてはかなり短縮させていただいているので、それ以上お知りになりたい方は「獅子宿」に直接出向かれたらどうだろう。
「むかし話その1」
むかし、むかし、あるところに貧しい老夫婦が住んでおりました。その夫婦はとても仲が良く、貧しいながらも幸せな生活をおくっていました。ところがある晩、玄関のほうで不審な音がするのでお爺さんがいってみると、片方の手が「にょきー」と出てきて、鍵をはずそうとしていました。びっくりしたお爺さんは、あわててその手を掴み離そうとしませんでした。そして、寝ていたお婆さんに、大声で、泥棒の手を掴んだので「ナタ」をもってくるように言ったのです。「ナタ」で泥棒の手を切ろうとしたのです。しばらくするとお婆さんがやってきて、穴の開いた小銭3枚をお爺さんに渡そうとしました。この家にある全財産だったのです。するとお爺さんは「何を聞いているんだねお婆さん、お金をもって来いなんて言ってないだろう、ナタを持って来いと言ったろう」と大声で言いました。そうするとお婆さんは、お爺さんに言いました。「お爺さんや、泥棒さんにこのお金を渡して、泥棒家業から手を切ってもらいましょうよ」と。その意味を直ぐに理解したお爺さんは、泥棒にお金を掴ませ手を離したのでした。それからは、二度と現れることはありませんでした。 おしまい。
泥棒に制裁を加えないで、改心させるように仕向させるところがこの物語の暖かさだが、何事も結果主義で「勝ち組、負け組み」、あるいは、「二極化」等といわれている切捨ての現在だからこそ、何か学べそうな気がしてならない。
※ほのぼのと語りかける山路さん(左側)と、さとすような語り口調の松沢さん。
2007.01.16:
黒澤
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