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雪国に生まれた誇りを食に感じるとき
虹の郷発 希望行き 第154号・市報ながい2月1日号
いまでは雪の降る日でも当たり前のように新鮮な野菜が食卓にのぼりますが、昔は雪深いこの地方で冬に野菜を手に入れることは容易でなく、
私たちの先人は、あの手この手の知恵で冬を乗り切っていました。
その代表格がさまざまな野菜の干しものです。くきたち干し、ひょう干し、さんごくだち、ずいき干しや切干大根など実に多彩な干しものがあります。
それらは大量に採れる旬のうちに加工され、冬に備えて蓄えられました。
わずかなものでも無駄にせずに大事にいただく心は江戸時代にさかのぼると言われます。
上杉治憲(鷹山)公は地場の資源を生かしたものづくりを中心に藩の財政を立て直した名君として現在でも注目されていますが、
食においても自給自足で自己防衛する知恵を暮らしの中に定着させました。
前述の干しものも、畑の雑草と言われるものまで大事に使い、飢饉にあっても餓死者を出さない地域の伝統食に高められ、脈々と現在まで伝えられています。
茹でた野菜を天日に干し、更に土用の時期にはしっかり干し直してカビの発生を抑え、ビタミンDに富んだ食材へと仕上げます。
冬場にはそれに打ち豆や凍み豆腐などを加えて栄養分を補い、煮もの、和えものや汁ものとして繊維質にも富んだ滋味深い料理として冬場の食卓をにぎわします。
家族がそろい、「おいしいね、おいしいね」とこどもや孫たちの口に運んであげる。
そんな季節ごとの食卓が暮らしの学校として息づいて、世代から世代へとバトンタッチされてきたのでしょう。
現在は、学校給食でもこうした伝統食を給食の献立に登場させています。市内の直売所や商店でも干しものなどの伝統的な食材が手に入ります。
店頭で見かけたらぜひ店員さんに料理法などを聞いてみましょう。この雪国ならではの食を楽しまない手はありませんよ。
2015.02.01:
rainbow
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