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吉田 司(よしだつかさ)

1945年山形県山形市生まれ

早稲田大学在学中に映画監督・小川紳介と小川プロをつくり、「三里塚の夏」などを製作。70年から水俣に住み、その体験をまとめた『下下戦記』(文春文庫)で88年大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。他の作品に『宗教ニッポン狂騒曲』(文藝春秋)、『世紀末ニッポン漂流記』(新潮社)、『ひめゆり忠臣蔵』『宮澤賢治殺人事件』(太田出版)、『ビル・ゲイツに会った日』(講談社)、『ニッポンの舞台裏』(洋泉社)などがある。

スター誕生―ひばり・錦之助・裕次郎・渥美清そして新・復興期の精神

出版社/著者からの内容紹介
思い出そう、あのころを。元気を出せ、日本人!!
敗戦・復興=ひばり、高度成長=裕次郎、そして今=宇多田ヒカルへ。スターが体現したこの国の深層心理をズバリ解剖、憂国の情ほとばしるスーパーノンフィクション!

昭和天皇が死んだ時、老人が涙を流し口々に「苦楽をともにしたから……」と語っていたのをテレビで見て、ピンと来なかった。私は昭和20年9月生まれの“敗戦ベビー”第1号みたいなもので、天皇は“敬して遠ざけるべき存在”なのだという、民主主義教育をうけていたためだ。しかし、中村錦之助が死んだ時、その「苦楽をともに……」の意味がよくわかったのだ。子供時代の“憧れのスター”が死んだら、貧乏だった子供の頃の想い出がウワァーと頭の中を走馬灯のように駆けめぐったのである。錦之助の映画人生と私自身の成長史の哀歓の1コマ1コマは、濃密につながっていることを感じた。そして想った。敗戦ベビー世代にとっては、錦之助やひばり、裕次郎や渥美清らの芸能スターこそが、自分たちの哀歓を献げ、アイデンティティを共有し合えた“天皇的存在”ではなかったか──プロローグより

内容(「BOOK」データベースより)
敗戦・復興=ひばり、高度成長=裕次郎、そして今=宇多田ヒカルへ。スターが体現したこの国の深層心理をズバリ解剖、憂国の情ほとばしるスーパーノンフィクション。

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